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アトピー改善に役立つ睡眠の話

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  • 監修 内山 真
    日本大学医学部精神医学系主任教授。専門は精神神経学、睡眠学、時間生物学。1954年、神奈川県生まれ。東北大学医学部卒業。東京医科歯科大学で精神科研修医、現・国立精神・神経医療研究センター室長、へファタ神経学病院睡眠障害研究施設(ドイツ)センター長などを経て、現職に到る。主著に『睡眠のはなし』中公新書、『睡眠の病気(別冊NHK今日の健康)』NHK出版などがある。
  • かゆみや寝汗で夜なかなか寝られない」「明け方まで眠れずに昼夜逆転してしまっている」。あとぴナビには、読者の方からこのような睡眠に関する相談が多く寄せられます。アトピーが悪化すると眠れなくなり、睡眠不足により症状がなかなか改善しないという悪循環が続いている方は多いもの。逆に、しっかり睡眠がとれるようになってアトピーが改善したという話もよく聞きます。睡眠は健康の要。それはわかっていても、私たちは意外と睡眠について知らないものです。そこで、「どれくらい眠るといいのか?」「不眠のときはどうしたらよいか?」「快眠のための秘訣は?」などを睡眠学の内山真先生に聞いてきました。本編記事は、あとぴナビ秋号(2015年9月発行)に掲載予定です。今回は、その予告として睡眠に関する基礎的なお話をお伝えします。
  • Q  理想的な睡眠時間は?
  • A  睡眠時間が短すぎるのも長すぎるのもよくない
  •  睡眠時間について、一般的には「8時間以上の睡眠が望ましい」と考えられがちです。昔の睡眠に関する本にはそう書かれていました。医療関係者の間でも睡眠時間が長いほど休養となると考えられてきました。皆さんの中にも、8時間以上眠ろうと心がけている人もいらっしゃるかもしれません。しかし、成人で毎晩8時間以上眠る人は稀です。 
    実際に、健康な人が実際にどのくらいの時間眠っているかを脳波を使って調べた研究によれば、15歳で8時間、25歳で7時間、45歳で6・5時間、65歳で6時間程度でした。実際に皆さんの正味の睡眠時間に近いのではないかと思います。 
    産業医学分野での実験的研究では、健康な人の睡眠時間を減らしていき、どれくらいの睡眠時間で作業ミスが多くなるかを実験していきます。ある研究では、睡眠時間を5時間まで減らすと日中の眠気が強まり、判断力も低下するという結果でした。 
    実際に、睡眠時間を実験的に半分程度に減らすと次の日の血圧が上昇し、血糖値もコントロールされにくくなることがわかっています。ところが、地域住民を対象とした長期の追跡研究では、睡眠時間が8時間以上と長い人も、長い目で見ると高血圧や糖尿病にかかる確率が高くなることも明らかになってきました。 
    さらに、いくつかの大規模調査によって、睡眠時間が7時間前後の人は、睡眠時間が極端に短い人や長い人と比べて高血圧、糖尿病、メタボリック症候群などの生活習慣病にかかる危険性が低く、6年後の死亡リスクも最も低いことがわかってきました。内山先生らが行った研究でも、睡眠時間が7時間程度の人が最も抑うつの程度が低いという結果が出ています。 
    睡眠に関する最近の研究から考えると、睡眠時間は短すぎても長すぎても問題があり、7時間前後、つまり6時間台ないし7時間台が健康な大人の睡眠時間ということになります。
  • Q  眠りが深ければ睡眠時間が短くても大丈夫?
  • A  必要な睡眠時間は決まっている
  • 若い人や働き盛りの年代の人は、睡眠時間を削ってでもやりたいことがたくさんあるものです。ナポレオンは3時間睡眠で精力的に活動していたという言い伝えがあるように、睡眠時間をコントロールして、仕事などの成果をあげたいと思っている人は多いはず。 
    しかし、ナポレオンが実際に3時間睡眠を続けていたら、その能力は半分以下に下がっていたことでしょう。なぜなら、動物の種によって必要な睡眠時間は決まっているからです。 
    シマウマやキリンなどの草食動物は、長く寝るほど肉食動物に食べられるリスクが高まるので、3時間くらいと最も睡眠時間が短い動物です。それに比べて肉食動物の睡眠時間はほとんどが10時間以上です。人間のように雑食の動物はその中間ぐらいです。砂漠に住むスナネズミは、砂漠の非常に過酷な環境で棲息しているので、起きて活動できる時間が限られているため、ほとんど眠ってすごすそう。このように、それぞれの動物は生存するための状況によって必要な睡眠時間が異なります。 
    また、眠りが深く質の高い睡眠(熟睡)がとれれば、睡眠時間を短くできるのではないかと思いがちですが、それは間違いです。 
    朝すっきりと目覚めることができるのは、睡眠がだんだん浅くなってきて体も脳も起きる準備を整えることができるから。睡眠にはリズムがあって、浅い眠りから徐々に深い眠りに移行し、起きる前にはまた浅い眠りに戻ってくるという一連の流れが大切です。このリズムを保ってすっきり目覚めるためには、どうしても一定の睡眠時間が必要になってきます。
  • Q  浅い眠りと深い眠りにはどんな違いがあるの?
  • A  浅い眠りは体を休め、深い眠りは脳を休めている
  • 睡眠にはリズムがあり、浅い眠りと深い眠りが交互に現れます。哺乳類の睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があり、浅い眠りがレム睡眠、深い眠りがノンレム睡眠にあたります。 
    レム睡眠のときは、眠っていても瞼の内側で眼球が動いており(急速眼球運動)、このときに夢を見ます。レム睡眠時は、起きているときよりもほんの少し脳の機能が低下した状態なので、わずかな刺激でも目が覚めてしまうレベルですが、外部からの情報が脳に届かせない仕組みが働いているので目が覚めてしまうことはありません。例えば音に関して、レム睡眠時には鼓膜がいくら振動しても、それを糸電話のように脳に伝える耳小骨がたるんでいるため、その振動が脳に伝わらないようになっています。 
    レム睡眠では目の動きが活発ですが、全身の筋肉は非常に弛緩して体から力が抜けています。脳は働いているが、体は休んでいるという状態です。 
    一方、すやすやと深い呼吸で寝息を立てている状態がノンレム睡眠です。ノンレム睡眠時には大脳がほぼ完全に休止していて、ほとんど夢をみることはありません。人はノンレム睡眠によって主に脳を休ませているのです。深いノンレム睡眠時には、体温を下げて脳を休ませるために寝汗をかきます。瞳孔は開いているため、深いノンレム睡眠時に急に起こされるとまぶしくて眼を開けていられないものです。また、成長ホルモンが分泌されるのもノンレム睡眠時です。 睡眠時には、まず浅いノンレム睡眠から次第に深いノンレム睡眠となり、深い睡眠がしばらく続いた後に浅いノンレム睡眠に戻り、最初のレム睡眠へと移行します。その後はノンレム睡眠とレム睡眠を周期的に繰り返しますが、健康な人の睡眠では、一晩にノンレム睡眠が80%、レム睡眠が20%の割合で出現します。 
    レム睡眠はもともと体を休めるための睡眠で、脳を休ませる機能ではありません。下等な生物の睡眠ほど筋肉を休ませるだけのレム睡眠に近いものです。ノンレム睡眠は大脳が発達した高等動物特有の睡眠で、脳を積極的に休ませる必要性から備わったものです。 
    体が休むレム睡眠時には脳が働いていて、脳を休めるノンレム睡眠時には筋肉を完全に休めることはありません。この仕組みは、哺乳類の進化の過程で、睡眠中の無防備な時間をなるべく減らし、外敵に襲われずにしっかり休息をとるために備わったのではないかと考えられます。



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