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アトピーにおけるステロイド外用依存と離脱を考える


  • Drug Healthc Patient Saf. 2014 Oct 18;6:131-138. にTopicalsteroid addiction in atopic dermatitis(アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用剤依存)という表題で、8 名の医師の共著論文が掲載されました。
    現在の皮膚科医の多くは、ステロイド外用剤によるベネフィットを強調しますが、以前から言われているように、相応のリスクは存在します。今回の論文では、そのリスクについて、どのような問題点を抱えているのかが、分かりやすく書かれており、ポイントとなる部分を抜粋して一部を紹介したいと思います。

  • 要 旨
    アメリカ皮膚科学会(AAD)は2014 年5月にアトピー性皮膚炎の外用療法に関する新しいガイドラインを発表しました。2006 年にAAD 会誌に掲載された総説において、ステロイド外用剤依存(TSA)やレッドバーニングスキン症候群(RBSS)は、ステロイド外用剤によって生じうる副作用として指摘されたにもかかわらず、新しいガイドラインではこの病態に関する言及がありません。このことは、この病態に関してまだ議論の余地があるということを示唆しています。そこで私たちはこの病態を実際に多く治療してきた経験に基づいて、TSA またはRBSS の臨床像を記述しようと考えました。この病態に関する医学文献は乏しいので、本稿における記述はTSA またはRBSS に関する理解を深め議論を進める上で役立つでしょう。


  • はじめに
  • アトピー性皮膚炎患者におけるステロイド忌避の問題は皮膚科領域でときどき議論となりますが、ほとんどの皮膚科医はこれを患者の無知による単純な恐怖心の結果ととらえており、TSAやRBSSと関連付けることは少ないです。
    しかしながら、TSAやRBSSを治療した経験のある医者の中には、患者たちの少なくとも一部は、過去にTSAやRBSSを経験したかもしれず、そのためにステロイド忌避の態度を示すという考える者もいます。アメリカ皮膚科学会は2014年5月にアトピー性皮膚炎の外用療法に関する新しいガイドラインを発表しました。2006年にAAD誌に掲載された総説において、ステロイド外用剤依存(TSA)やレッドバーニングスキン症候群(RBSS)は、ステロイド外用剤によって生じうる副作用として指摘されたにもかかわらず、新しいガイドラインではこの病態に関する言及がありません。
    患者たちの要望の高まりに応じて、全国湿疹協会(NEA)はこの病態の実情を明らかにすべく調査を開始しました。NEAの調査の課題はホームページ上にいくつかの疑問文の形で明示されているので、本稿の著者もまたこれらの疑問への回答という形でこの病態の記述を試みました。
    TSAやRBSSを問題視し防止しようとする観点からは、AADの新ガイドラインには3つの問題があります。本稿の後半ではこの問題を取り上げます。(中略)。



  • TSAまたはRBSSを防ぐ見地からの、新しいAADのガイドラインにおける三つの問題点


  • 「近年、同じ個所に頻回に繰り返し再燃する患者に対して、プロアクティブ療法による維持が提唱されている。……これは、そのような個所に週一、二回規則的にステロイドの外用を続けるという方法で、再燃の頻度を抑え、保湿剤単独に移行してから最初の再燃までの時間を長くするというものである」。
    いわゆるプロアクティブ療法が紹介されています。これらのプロアクティブ療法の研究においては、患者の疾患は研究参加前に強いステロイドによってコントロールされました。うまくコントロールされた患者は週1│2回ステロイドを外用するグループ(プロアクティブ療法)と、悪化した時のみステロイドを外用するグループ(アクティブ療法)の二群に分けられ、前者の方が再燃までの期間が長く経済的負担も少なかったです。しかしながら、プロアクティブ療法の研究には二つの隠された意味があります。(1)研究の対象となった患者は全員、最初に強いステロイド外用剤で良好にコントロールできた患者です。したがって最初の段階でコントロール不良と判定された患者が存在し、そのような患者は研究に含まれていません。(2)プロアクティブ療法に従えば、患者は理論的に永久にステロイド外用剤から離脱できません。湿疹患者は、とくに乳児や小児では、しばしば自然治癒しますが、そのような自然治癒傾向はプロアクティブ療法では想定されていません。
    上記の研究においてコントロール不良であった患者の率は10%│20%であり、古江らの研究11におけるコントロール不良群の率に非常に近いです。著者はプロアクティブ療法がステロイド外用剤の休薬期間を設ける投薬法だという意味において、TSAやRBSSの患者を減らす可能性があることは認めます。しかしこの方法は最初にコントロール不良と判定されたTSAやRBSSを既に発症してしまっている患者たちの役に立つものではないという点は認識されなければなりません。






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