冷えとりで病が治る 第6回 |
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- 心と体は自律神経でつながる
自律神経には、エネルギーを消費する状 態で働く「交感神経」と、休息している状態 で働く「副交感神経」があります。昼間活 動しているとき(緊張状態)は交感神経が優 位に働き、夜の睡眠中(リラックス状態)は 副交感神経が優位に働いており、この2つの 神経がバランスよく働くことによって、体は コントロールされています。
体のコントロールは、自律神経から出る神 経伝達物質によって行われます。交感神経 から出るアドレナリンやノルアドレナリンに は、体を活動的にする働きがあります。心 臓の働きを活発にし、呼吸も速くなります。 副交感神経から出るアセチルコリンには、血 管を拡張させ、リラックスを促す働きがあり ます。心臓や呼吸を穏やかにし、胃腸の消 化活動を活発にします。
心の状態の影響を受けやすい自律神経が 体の調子をコントロールしているわけですか ら、心と体は自律神経を通してつながってい ると言えます。ストレスを受けて心と体が 緊張状態になれば、交感神経が優位に働き ます。その結果血管が収縮し体は冷え、体 が冷えた状態が続けばそれ自体が新たなス トレスとなり、凝り固まって冷えた心も元に 戻りにくい悪循環となってしまいます。
- アトピーにも心の冷えが関係している
-
本シリーズでこれまでに取り上げた「がん」
「肥満」
「胃・十二指腸潰瘍」などの病気でも、
ストレスとの関係が大きいことを繰り返し
述べてきました。心の病気に限らず、実はほ
とんどの病気が心の冷えと大きく関わってい
ます。アトピー性皮膚炎もしかりです。
病気になってしまった人は、先行きの不安
や恐怖と闘うために精神的な緊張が続いて
います。交感神経が高ぶった状態が続くの
で、心も体も冷えてしまいます。体が冷えれ
ば免疫力が低下し、病状も悪化しやすくな
ります。
このような悪循環から抜け出すために、 まずは体を温めること。ゆったりとリラック スした入浴を習慣とし、湯たんぽや腹巻、 靴下の重ね履きなど、日常的にできること をどんどん取り入れましょう。 心の問題で言えば、凝り固まった感情を ほぐすように気分転換を試みましょう。暗 い気持ちになったときは、明るい気持ちや感 謝の気持ちに切り替える習慣を日頃から身 につけておくと、ストレスに強くなります。また、周り に気を使いすぎたり、責任感が強くまじめなタイプの 人は、自分の感情を隠し続けて緊張し、心が冷えやす くなっています。本を読んだり映画を観ては、泣いたり 笑ったりして、自分の感情を吐き出せる機会を積極的に 作りましょう。
最後に一番重要なことは、心を冷やすきっかけと なった原因を解決することです。働きすぎ、頑張りす ぎ、慢性の睡眠不足など、思い当たることがあれば、生 活全般の改善が必要です。は冷えていきます。

