恋愛とアトピー ~ハダカの恋愛してますか~ ポジティブ恋愛のすすめ |
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- 三十代半ばでステロイド離脱縁がないまま40代へ
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「2人とも一人暮らしが長かったので、今はそばにいるだけで幸せです」。松岡泰子さんが、同い年のご主人・恒雄さんと結婚したのは、46歳のときでした。「主人とは中学時代の同級生ですが、卒業後の交流はほとんどなかったんです。大学、就職後もお互い離れた地域にいて、会う機会はありませんでした。」
中学の頃からアトピーに悩んでいた泰子さん。35歳でステロイドを中止後は、強い離脱症状が続き、休職して湯治も始めたため、恋愛は考えられない状態でした。症状が改善し始めてからは、お見合いもしましたが、結婚に結びつくことはなかったのです。
- 運命のご主人と26年ぶりに再会
その後症状も回復し仕事も復帰したものの、結婚はすっかり諦めていた矢先、恒雄さんが転勤で実家の近くに戻ってきました。周囲のすすめもあり、26年ぶりに再会してみると、価値観や音楽、映画などの趣味もピッタリで、2人はすぐに意気投合。44歳で結婚を決めました。
ところが、そんなときアトピー症状がぶりかえしてしまったのです。「きれいになってから結婚式を迎えたい」そんな泰子さんの気持ちを尊重し、ご主人は結婚まで1年半、待ってくれました。「やはり症状が悪化したときは心配で早く治ってほしいと思いました。でも彼女とは価値観が合うし、昔から可愛い笑顔や表情、聡明なところに憧れていて、ずっと好きでしたし、それは変わらないんですよ。とにかく早く一緒になりたかったですね(笑)」(恒雄さん)
結婚後も、症状が悪化したことがあります。結婚前からアトピー体質と知ってはいたものの、恒雄さんは実際に泰子さんの症状を見て、「アトピーってこんなに大変なのか」と正直驚いたとか。「どうしてもつらいときは、ステロイドを使ってもいいんじゃないかな…」と見かねて提案したことも。しかし、薬は使わずに治したいという泰子さんの強い気持ちを理解し、何事も泰子さんの体調を優先してくれる優しい旦那様です
- アトピーでよかったそれが2人の合言葉
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愛する人に初めて症状の出ている肌を見せるとき、気にはならなかったでしょうか?
「そのとき、どんな反応があるかは不安ですよね。でも、相手の人が普段人に接する態度をよく見極めていれば、そのときが来ても決して傷つく結果にはならないと思います。多少の症状なら、卑屈になったり、意識しすぎないで、まずは自分が「いつかきっと治るから」と思っていれば、相手もあまり気にしないのでは。主人は、ヤッちゃんがアトピーでよかったよ。アトピーじゃなかったら、もっと早く別の人と結婚していたかもしれないって。私も今は、アトピーになってよかったわ、って思うくらい(笑)」(泰子さん)。
恒雄さんは、「妻の体調が悪いときも、表情や話し方など、妻のやさしさで十分癒やされていますよ」といいます。
出会ってからの長い時間やアトピーも超越したお2人の絆には、勇気付けられるものがあります。
「アトピーを通して苦しみを知っている分、人にやさしくできたり、相手の健康を気遣ってあげられたり、プラスの面もあると思うんです。誰にでも、悩みや課題はありますよね。広い視野でみれば、アトピーよりももっと大変な悩みや病気だってたくさんあります。彼にも、別の課題がありました。お互いに励ましあって、一緒に乗り越えていこうと思えたんです。結婚や恋愛って、タイミングや運もあるし、誰にとっても簡単なことではないと思いますが、私のようなケースもあるので、焦る必要はないと思いますよ。」
その人が準備できたとき、縁があったときが適齢期……それが泰子さんのメッセージ。皆さんも希望を失わずに、自分磨きや出会いを大切にして、幸せになってくださいね!
