アトピー克服のキホン |
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- 高い入浴温度は避ける
- アトピーに入浴がよいといっても、入浴方法が正しくなければ逆効果になります。自己流の入浴で最も多い誤りは、入浴温度が高すぎる( 40度以上)ケース。
一般的に、38〜39度の湯温では「温まりにくい」と感じ、41〜42度程度が適温と感じている人が多いようです。
人間の体温は表面温度で36〜37度、深部温度で37〜38度くらいです。外部から42度の熱が体に入ってきたとして、その熱を長時間受け続けると、体の諸機能には深刻な影響がもたらされます。そのため、体は外からの熱を受け入れまいと反応します。
- 熱いお湯は体を冷やし、肌を乾燥させる?
最初にお話したように、熱を体の各部位に伝えているのは血流です。体が高い熱を受け入れないように働くと、血流は悪くなります。同時に、体の表面は高温にさらされているので、熱を放出するため毛細血管を拡張させて汗をかこうとします。肌が赤く熱して汗をかいた状態です。この状態で風呂から出ると、皮膚表面は熱を帯びているので「温まった感覚」が得られます。しかし実際は、体内の血流はかなり悪くなり「体の表面は熱せられて、内部は冷えた状態」です。
高い温度で入浴すると湯冷めしやすいのは、体の中が温まっていないためです。同時に表面だけは高温なので、体はその熱を放出しようとします。つまり「皮膚の水分を蒸散させて、気化熱で体温を下げ」ようとします。この状態が皮膚の乾燥を招きます。 高い温度での入浴は「冷えの状態」を作り、肌は乾燥しやすくなります。アトピー性皮膚炎に対しては、自律神経機能(免疫機能に関わる部分で)、そして乾燥によるかゆみ促進という二重のマイナス点を与える危険性があります。
- 38〜39度で一定時間の入浴を
- 以上の理由から、できるだけ体温に近い温度(38〜39度)での入浴を心がけることが大切です。特に冬場は外気温が低く、高い湯温を心地よく感じる季節です。しかし、高い温度での入浴は、アトピー性皮膚炎に悪影響があることを理解して、ぬるい温度で一定時間入浴するように心がけましょう。
入浴の時間や回数は、その時々の体調、年齢や生活環境によっても異なります。詳しくは相談ダイヤル( 0120-866-933)などでご相談ください。
一般的な目安としては、乳幼児の場合、積極的に入浴をアトピー性皮膚炎克服にとり入れていくのであれば、1回10〜20分を1日2〜3回、成人の場合は1回30〜40分を1日2〜3回ぐらいです。日々のケアとして入浴を行う場合には、1日1回でもよいでしょう。

