冬の季節のスキンケア |
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- 「冷え」とは血流が悪くなること
- 冬の季節に、もう一つ注意したいのが気温の低下です。体の「熱」は、主に筋肉や内臓などで作られます。作られた熱は、血液によって体全体に運ばれますが、外気温が低下すると、体の熱を皮膚から放散しないように血流が悪くなります。これは、体内の生命維持に重要な器官といえる内臓を守るための働きでもありますが、そのため、手足の抹消部位は血流が悪くなることで熱が届きづらくなり、冷たくなります。この状態が「冷え」の状態です。
冷えとは、体が冷たくなることと考えがちですが、その原因は血流が悪くなることにあったのです。血流が悪くなると、血液を通して運ばれる伝達物質(ホルモン)も十分に運ばれず、免疫機能にも影響が現れることがあります。
アレルギー的な要因からアトピー性皮膚炎を考えると、冷えを改善することは大切です。実際、アトピー性皮膚炎の方を調査すると、状態が悪い時には冷えをよく感じていたのが、状態が良くなると冷えがなくなっていた、という傾向は強く見られます。他の季節と比べると、冬の時期は、この「冷え」を生みやすい時期でもあり、その対策、つまり血流を良くする、という対策はしっかりと行いましょう。
- 冷え対策には入浴が一番
血流を良くすることが冷えの改善につながることは先に述べた通りですが、日常生活内で行える方法は「運動」と「入浴」が代表的なものと言えるでしょう。
食事の内容で、熱を生みやすい食材を摂取する、という方法もありますが、体内で熱を多く作っても、その熱を運ぶ血流が悪いのでは意味がありません。もっとも効果的なのは「運動」ですが、一週間に一度、週末だけ運動しても、その効果は限定的で、毎日反復継続して行うことを考えると、冷えの対策で最も有効なのは、日常の生活習慣である「入浴」ということが言えるでしょう。
寒い時期、入浴により冷えの状態を改善するために、注意して欲しい点はいくつかあります。
- 高温での入浴が体に良くない理由
- 寒いとどうしても高い温度で入浴したくなると思います。しかし、本来、体内の深部温度は約38度前後です。40度以上のお風呂に入った場合、40度の熱を体内に受け入れ続けることは、内臓機能を著しく低下させますので、皮膚表面から得られた熱を体内に運び込まないよう、内部では血流を落とそうと働きます(主に血流によって熱が運ばれるため)。また、高い温度での入浴はその熱を体外に放出するため汗をかこう(気化熱で体温を下げるため)としますが、汗をかき続けることは体力を奪います。
高い温度で入浴すると、短時間で苦しくなってくると思いますが、これは、生体がこの温度での入浴を続けることが危険であることを知らせているのです。
- 入浴温度を下げたらアトピー症状も回復
また、高い温度で入浴した後は、皮膚表面に熱を留めているため、皮膚が赤くなっていますが、その熱を下げるため、汗が出続け、同時に角質層からも水分を蒸散させて皮膚を冷やそうと働きます。角質層からの水分蒸散が高まることは、肌の乾燥につながってきます。このように、高い温度での入浴は、少なくともアトピー性皮膚炎の方にとって、マイナス要因の方が多いと言えますので、十分な注意が必要でしょう。
実際、入浴に関するご相談を受ける中で誤った入浴をされている方で最も多くみられるのが、この高い温度での入浴を行っているケースです。こうした方に、入浴温度を下げてもらうと、早期に状態が良くなる場合が多く、入浴温度には十分注意して欲しいと思います。
後述しますが、一定の入浴時間を確保して、さらに反復継続して入浴を行うことを考えた場合、適切な入浴温度は38度〜39度と言えるでしょう。

- 一日に二〜三回の入浴が理想的
- ぬるめの温度で入浴すると、血流がゆるやかに上がってきます。しかし、入浴が終われば、外気温が低い冬の時期、再度、血流は低下に向かいます。
血流が良い状態の時間を長く得るためには、入浴回数を複数回行うことが理想的です。
最低でも一日、朝晩の二回、時間的に可能な方はお昼にももう一度入浴を追加すると良いでしょう。ここまで行うと、湯で治す「湯治」となり、効果は絶大です。
一日一回の入浴と二回の入浴を比較した場合、入浴で血流を上げ、その後下がっていく、と考えた場合、血流が下がっていく時間は半分に留められます。
そうしたことを考えると、一定間隔をあ けて入浴することも大切です。 帰宅後と就寝前に二回入浴しても、結局、 入浴間隔の時間は長くなりますから、効果 は低くなります。
